はじめに
Excelを使っていて、{=INDEX(A1:A10, MATCH(100, B1:B10, 0))}
のような波カッコ “ で囲まれた数式 を見たことはありませんか?
これは**配列数式(配列数式、またはCSE数式)**と呼ばれる特殊な数式です。本記事では、配列数式の意味や使い方、最新のExcel 365との違いについて詳しく解説します。
配列数式とは?
配列数式とは、複数のセルを一度に計算する数式 のことです。通常のExcel関数は1つのセルで1つの値を返しますが、配列数式は複数のセルを対象にした計算が可能です。
従来のExcelでは、配列数式を入力する際に Ctrl + Shift + Enter
を押す必要がありました。このため、CSE数式(Ctrl + Shift + Enter の略)とも呼ばれます。
例: 配列数式を使った合計
{=SUM(A1:A10 * B1:B10)}
意味: A列とB列の対応する値を掛け算し、その合計を求める
代表的な配列数式の例
✅ INDEXとMATCHを組み合わせた検索
{=INDEX(A1:A10, MATCH(100, B1:B10, 0))}
解説: B列で100に一致する行を検索し、対応するA列の値を取得
✅ 最大値を持つ行の対応データを取得
{=INDEX(A1:A10, MATCH(MAX(B1:B10), B1:B10, 0))}
解説: B列の最大値を探し、対応するA列の値を取得
✅ 条件付きの合計(SUMIFの配列版)
{=SUM(IF(A1:A10="東京", B1:B10, 0))}
解説: A列が「東京」の場合に限り、B列の値を合計
配列数式の入力方法
- 通常の数式を入力する(例:
=SUM(A1:A10 * B1:B10)
) Enter
ではなくCtrl + Shift + Enter
を押す- 数式が
{}
で囲まれた形に変わる
※ Ctrl + Shift + Enter
を押さないと、期待通りに動作しません。
Excel 365との違い
Excel 365以降では、「動的配列」が導入され、配列数式を特別な入力方法なしで使えるようになりました。
例えば、
=FILTER(A1:B10, B1:B10>1000)
このように記述すれば、配列数式として自動的に展開されます。従来の Ctrl + Shift + Enter
の操作は必要はなくなりました。
まとめ
この記事では配列数式の使い方について解説しました。
項目 | 従来の配列数式 | Excel 365の動的配列 |
---|---|---|
入力方法 | Ctrl + Shift + Enter | Enter のみ |
結果 | {} で囲まれる | 自動展開 |
使いやすさ | やや難しい | 簡単 |
配列数式は従来のExcelでは強力なツールでしたが、Excel 365ではより直感的に使える「動的配列」が主流になっています。
特にExcel 365を利用している場合は、FILTER
や UNIQUE
などの新しい関数を活用するのがおすすめです。
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