MTTRとは「Mean Time To Repair」の略で、日本語では「平均修復時間」と呼ばれる指標です。それぞれの単語をカタカナで読むと、以下のようになります。
- Mean(ミーン): 平均
- Time(タイム): 時間
- To(トゥー): ~するための
- Repair(リペア): 修理
MTTRは、システムや機械が故障してから完全に修復されるまでの平均時間を示します。この値が短いほど、迅速に修復が行えることを意味し、運用効率の高いシステムであると判断できます。

MTTRの計算方法
MTTRは以下の式で計算されます。
MTTR = 修復時間の合計 ÷ 修復回数
例えば、ある機械が5回故障し、それぞれの修復に合計20時間かかった場合、MTTRは以下のように計算されます。
MTTR = 20時間 ÷ 5 = 4時間
この結果は、1回の故障を修復するのに平均4時間かかることを意味します。
MTTRの活用事例
ITシステムの保守運用
サーバやネットワーク機器の障害時に、MTTRを指標として迅速な復旧を目指します。MTTRを短縮することで、ダウンタイムを最小限に抑え、ビジネスへの影響を軽減できます。
製造業での稼働効率向上
製造ラインで機械が故障した場合、MTTRを計測して修復プロセスの改善点を特定します。これにより、生産性を高めることが可能です。
航空業界での整備
航空機の部品交換や修理において、MTTRを基準に作業効率を評価します。これにより、運行スケジュールを維持し、安全性を確保します。
MTTRを短縮するための方法
- 定期的なメンテナンスの実施: 故障を未然に防ぐことで、修復時間そのものを削減できます。
- スタッフのスキル向上: トレーニングを通じて、修復作業を効率化します。
- 適切な部品管理: 必要な交換部品を迅速に用意できるよう、在庫管理を徹底します。
- ITツールの活用: 故障診断や修復プロセスをデジタル化して、効率化を図ります。
- 復旧フローの見直し: 定期的に修理フローの各プロセスを見直します。
MTTRを理解する際の注意点
- 計算対象を明確にする: MTTRは特定のシステムや機械に基づいて計算されるため、その対象を明確に定義する必要があります。
- MTBFとのバランスを考慮: MTTRは平均故障間隔(MTBF)と組み合わせることで、システム全体の信頼性を包括的に評価できます。
- 外部要因の影響を排除: 修復に影響を与える外部要因(部品の納期、技術者の到着時間など)も考慮する必要があります。
まとめ
MTTR(平均修復時間)は、故障から修復までに要する時間の平均を示す重要な指標です。「Mean Time To Repair」という英語の略で、システムの効率性や運用プロセスの改善に役立ちます。ITシステム、製造業、航空業界など、幅広い分野で活用されており、迅速な復旧とダウンタイムの削減に貢献します。
MTTRを短縮するためには、メンテナンスの徹底やスタッフのトレーニング、適切なツールの導入が効果的です。MTTRとMTBFを組み合わせた評価を行うことで、信頼性の高い運用を実現できます。
MTTRの目安は該当業務において、どの程度停止時間が許容されるかにも影響します。
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