TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)は、インターネットやネットワーク通信において標準的に使われる通信プロトコルのセットです。現代のインターネットを支える基本技術の一つであり、データの送受信を円滑に行うためのルールを定めています。
TCP/IPの基本構造
TCP/IPは主に4つの階層に分かれています。
- アプリケーション層:ユーザーが直接利用するアプリケーション(Webブラウザ、メールなど)が動作する層。
- トランスポート層:データの信頼性を確保し、適切な送受信を行う層(TCPやUDPが動作)。
- インターネット層:データの経路制御(ルーティング)を担当する層(IPが動作)。
- ネットワークインターフェース層:物理的な通信を担い、ネットワーク機器との通信を行う層。

TCP(Transmission Control Protocol)とは?
TCPは、データの正確な送受信を保証するためのプロトコルです。主に以下の機能を持ちます。
- データの分割と再構成:大きなデータを小さなパケットに分割し、受信側で元の形に戻す。
- 信頼性の確保:データが正しく届いたか確認し、エラーがあれば再送する。
- コネクションの確立:通信を開始するための手順(三者間ハンドシェイク)を確立。
三者間ハンドシェイクの流れ
- クライアントがサーバーに接続要求(SYN)
- サーバーが応答(SYN-ACK)
- クライアントが確認応答(ACK)
この手順によって、データの確実な送信が可能になります。

IP(Internet Protocol)とは?
IPは、ネットワーク上でデータを適切な宛先に届けるためのプロトコルです。
- IPアドレス:ネットワーク上の機器を識別するための住所のようなもの。
- ルーティング:データを適切な経路で送るための仕組み。
- パケット交換:データを小さな単位(パケット)に分割し、最適な経路で送信。
IPアドレスの種類
- IPv4(例:192.168.1.1):32ビットのアドレス体系。
- IPv6(例:2001:db8::ff00:42:8329):128ビットのアドレス体系。

TCP/IPの応用例
TCP/IPは以下のような場面で活用されています。
- Web通信(HTTP/HTTPS):ブラウザを使ったインターネット閲覧。
- メール(SMTP/IMAP/POP3):電子メールの送受信。
- ファイル転送(FTP/SFTP):データのやり取り。
- 動画ストリーミング:YouTubeやNetflixなど。
TCP/IPの仕組みを理解することで、ネットワークのトラブルシューティングやセキュリティ対策にも役立ちます。
まとめ
TCP/IPは、インターネットを動かすための重要な通信プロトコルです。
- TCPはデータの信頼性を確保し、正確に送受信する。
- IPはデータを適切な宛先に届ける。
- これらの技術によって、現代のネットワーク通信が成り立っている。
TCP/IPの概念を理解し、ネットワークの仕組みを把握することで、より安全かつ効率的な通信が可能になります。